センターについて

京都大学ー清華大学環境技術共同研究教育センター(以下、日中センター)

グローバリゼーションの中で、京都大学と清華大学は先端技術分野における教育及び研究を協働して発展させてきました。1998年5月5日、北京において長尾眞 京都大学総長(当時)と王大中 清華大学学長(当時)は、「京都大学と清華大学の学術交流に関する協定」を締結しました。以来、両大学間の交流は一層盛んとなり、2005年6月に京都大学大学院工学研究科と清華大学深圳研究生院は「京都大学ー清華大学環境技術共同研究・教育センター(以下、日中センター)」の設置について協定(MOU)を締結し、同年10月に日中センターが正式に設立されました。
日中センター設立までの間、環境工学分野においては、京都大学及び清華大学それぞれを日本及び中国の拠点大学として、2001年4月「都市環境」に関する拠点大学交流事業 (JSPS-MOE Core University Program) を開始しました。このプログラムでは、学術交流を通じて安全で環境に配慮した都市環境の創造に資する研究を促進することを目指しました。2004年4月には、京都大学・清華大学・マラヤ大学の間の研究者ネットワークを教育の面で活かしていくため、MEXT Program for Modern Needs of Higher Education on Global and Environmental Science発足させました。これは、JSPS-MOE Core University Programに1年先立って2000年4月に開始したマレーシアとの間の拠点大学交流事業であるJSPS-VCC Core University Program on Environmental Scienceと連携し、「同時進行連携講義」を実施するものです。地球・環境科学に関する同時講義を3大学の教員の協力のもとに実施し、3大学の学生が同時に聴講し、互いの討議を可能にしようとするものです。プロジェクトとしては3年間でしたが、現在も継続し、京都大学大学院では、2006年度から「新環境工学特論I」および「新環境工学特論II」の正規科目となっています。「研究」を中心とした拠点大学交流プログラム、「教育」を中心としたMEXTプログラム、そして、日中センターは、「実務に結びついた研究・教育」を展開する両大学における活動と位置づけることができます。

日中センターは、清華大学深圳国際研究生院(以下、研究生院)にあります。深圳国際研究生院は、清華大学に直属しており、清華大学と深圳市が協力して設立した高等教育人材の育成と科学技術の創新を図った研究教育組織です。研究生院は清華大学の教育機関として、世界的な一流大学を建設するにあたって重要な役割を果たしています。また、研究生院は高レベル人材の育成、オリジナルの研究や高度技術の推進を目標にし、深圳市だけではなく、中国全体に経済発展と社会サービスの提供を目指しています。

日中センターは、2005年に設立されてから十数年が経ちました。京都大学と清華大学の教職員および学生の協力のもと、それぞれの特徴を生かし、清華大学では国内の異なる場所での教育機関の運営、京都大学では国外の教育機関の運営という新しい教育モデルを構築しました。このような教育モデルは、環境工学分野における高レベル人材育成のための講義、共同研究の実施、産学連携、新しい環境技術の開発や導入、環境科学の探求や環境政策の提案等について、情報交換を行い、環境領域の問題を解決するための技術や研究パートナーを提供する場でもあります。また、日中センターは、日中の各分野の民間企業との協力および連携について積極的に推進しています。日中センターの設立以降、教育、研究および学生の育成に積極的に取り組み、共同研究や先端研究の実施にも著しい成果を残しています。

2018年12月には、日中センターが京都大学オンサイトラボラトリーとして認定され、さらに、日中センターの第5期の開始に関する調印が、京都大学地球環境学堂―清華大学深圳研究生院間のダブルディグリープログラム(リンク)への調印とともに深圳で取り交わされ、さらなる発展を目指しています。

Room1812 Energy and Environment Building, Tsinghua Campus,
Shenzhen University, Town Shenzhen 518055, China
TEL: +86-755-2603-2454 ,
FAX: +86-755-2603-2454