1. はじめに

工学研究科の都市環境工学専攻は、顕在化/潜在化する地域環境問題の解決、健康を支援する環境の確保、持続可能な地球環境・地域環境の創成、新しい環境科学の構築を目的に、特に、修士課程では工学技術を基盤に教育・研究を行っています。
地球環境問題の解決のためには、大学や諸機関との国際的な連携や、国際的に通用する人材育成が必須であり、研究面では、中国、ASEAN諸国をはじめとする各国との国際的な学術協力を推進するとともに、教育面では、融合工学コース:人間安全保障工学分野での積極的な留学生の受け入れや、主要科目の英語での授業を含む教育プログラムを有し、国際的にも活躍しうる人材育成等に取り組んでおり、今後さらなる進展が望まれます。
以上のような背景のもとで、今回、工学研究科と強い協力関係にある清華大学深圳国際研究生院とダブルディグリープログラムが取得できる協働教育課程を開始することとしました。目的は以下の2 点です。

  1. 多文化・多言語環境下において、地球・地域環境問題の解決にリーダーシップを発揮する学際的人材を育成すること。
  2. ダイナミックかつ喫緊の環境・社会課題が顕在化している現地に身を置き、問題を体感しながら洞察し、解決に導く能力を身に付けた人材を育成すること。

近年目覚ましい経済発展をとげてきた中国において、特に深圳は中国最初の経済特区であり、爆発的な人口増加と発展により、ダイナミックかつ喫緊の環境・社会課題が顕在化しています。また両国に共通する地球温暖化問題には、協力して取り組んでいかねばなりません。
ダブルディグリー制度の設置により、京都大学のみでの学修では得られない、深圳をフィールドとした環境問題、および地球環境問題の工学的な解決にリーダーシップを発揮する学際的人材の育成が期待できます。深圳国際研究生院には、英語カリキュラムが整備されている上、京都大学オンサイトラボラトリーとして認定された京都大学ー清華大学環境技術共同研究・教育センター(日中センター)が設置されており、京都大学生の受け入れ体制が整備されています。本協働教育課程は、両機関の研究・教育の推進に大きな役割を果たすことが期待されています。


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