関係教員挨拶

京都大学

京都大学教授(主任)
高岡昌輝 

京都大学は、2017年6月文部科学大臣より指定国立大学法人に指定され、人材育成・獲得、研究力強化、国際協働、社会との連携、ガバナンスの強化の要素を踏まえ、創立以来築き上げてきた伝統を基礎に、新しい大学の在り方とその構想を打ち出しました。現在、この構想に基づいて、現代の世界と人類が直面する多くの課題解決に向けて挑戦を続けています。この指定国立大学法人構想において掲げた取組の1つがオンサイトラボラトリー事業です。海外の大学や研究機関等と共同で設置する現地運営型研究室で、海外機関等と活発な研究交流を行い、世界をリードする最先端研究を推進するとともに、優秀な外国人留学生の獲得、産業界との連携の強化等、大学への波及効果が見込める様々な取組の実現を目指すものです。

2005年に中国南部での経済発展に伴う深刻な環境問題に対する環境保全対策の解決に両大学が共同して取り組むことを目的に、寄附講座日中センターが設立されてから15年以上がたちました。この間、京都大学、清華大学や日中の環境系企業のご支援により、日中センターは発展してきました。現在、日中センターは、実験室を備え、現地での調査研究が実施できるようになっています(右写真)。また、両大学の教員の交流のみならず、学生のインターンシップ、さらには、清華大学深圳国際研究生院と京都大学地球環境学堂との修士の共同学位(ダブルディグリー)は2018年から、工学研究科とは2021年から開始しています。両国が抱える問題だけでなく、世界の環境問題解決へ共同で研究教育に取り組む段階に至っております。

2018年12月に、この日中センターは京都大学からオンサイトラボラトリーとして認定されました。清華大学との協働による現地運営型として、本センターが改めて京都大学に位置付けられました。世界をリードする最先端研究を一層推進し、優秀な人材の育成、産業界との連携の強化等、長年、両大学が取り組んできた環境分野での研究・教育の共同化を、より一層深く取り組むとともに、より多様な分野に広げて実施し、持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えています。

 

京都大学教授(副主任)
藤原 拓

中国では、急速な経済発展にともない廃棄物、大気、水などに関わる環境問題が引き起こされましたが、近年はその対策が急速に進んできています。一方、日本では2050年までの脱炭素社会の構築、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的汚染をゼロにするなどの目標が新たに掲げられています。これらの問題を改善するため、京都大学と清華大学は互いに協力し、資源やエネルギーを効果的に活用し、資源循環型の低炭素社会を日中両国で実現させる必要があります。深圳の日中センターは、日中両国の環境問題を解決する上で重要な研究拠点であるとともに、修士課程のダブルディグリープログラムなどを通じて、両大学が協働して優秀な人材育成を行う基盤となることが期待されます。

 

清華大学

清華大学教授(主任)
胡 洪営 

中国は、CO2排出量が2030年までにピークに達するよう努力し、2060年までにカーボンニュートラルの実現を目指すことを提起しました。それの「持続可能な発展」は国際社会の日に日に鮮明な深い共通認識になっています。大きな経済のグローバル化は環境と生態の問題に対して、いっそう深い国際協力と共同努力が必要です。中国と日本は、それぞれ世界第2位、第3位の経済大国であり、近隣であり、アジア太平洋地域、さらに世界の環境・生態保護において重要な役割を果たしています。2005年に設立された京大ー清華大環境技術共同研究・教育センター(以下、日中センター)は日中環境分野の交流と協力における重要な役割を果たしてきて、双方が優位を発揮し、研究協力と人材育成の重要なプラットフォームになっています。 科学研究の協力と交流について、日中研究者は日中センター共同研究に基づき、科学技術部の国際協力プロジェクト、深圳市国際科学技術協力プロジェクト、清華大学国際大学院海外科学共同基金など、それぞれのプロジェクトを申請しています。日中センターは共同研究の重要な舞台であります。さらに、日中センターは毎年学術セミナーを開催し、日中の学者や業界関連者に交流とプロジェクトの協力の場所を提供し、産業サービスにおいて、重要な役割を果たしています。
人材育成について、日中センターは2008年から高級環境工学の遠隔教育コース(E-learning)を開設し、清華大学、京都大学、マラヤ大学の修士や博士に先端な環境技術を授業しています。その課程は日中の環境保護と発展に関する共通認識を強化する一方で、相互学習、共同討論、深く研究、協力のため交流舞台を提供しています。日中センターは日中の環境教育、環境政策の策定、環境保護企業の発展について相互理解を深め、グローバル化人材の養成に推進するため、毎年日中の学生インターンシップを行います。さらに、2018年では京都大学と清華大學がダブルディグリープログラムを調印して、学生は国際的なビジョンとグローバルな能力等を大幅向上してきました。両学校の学位を取得した第一回の学生は、両学校の深く協力する重要な人材育成の成果となっていました。
将来的には、深圳市社会主義のデモンストレーションゾーンの構築と粤港澳大湾区の発展計画のさらなる実施とともに、清華大学深圳国際研究生院の国際化運営と国際化協力を一層推進し、日中センターは強力な発展の支持より広い発展を迎え、京都大学と清華大学の幅広い分野での協力の基礎を提供しています。

 

清華大学教授(副主任)
管 運涛

京都大学ー清華大学環境技術共同研究・教育センター(以下、日中センター)は2005年に中国広東省深圳市の清華大学研究生院(現「清華大学深圳国際研究生院」)に設立されました。また、2018年には、日中センターが京都大学オンサイトラボラトリーとして認定されました。京都大学と清華大学の教職員および学生の協力のもと、それぞれの特徴を生かし、清華大学では国内の異なるキャンパスでの教育機関の運営、京都大学では海外の教育機関の運営という新しい教育モデルを構築しました。2019年に清華大学深圳国際研究生院が正式に設立され、さらに、新たに設立された環境と生態研究院は都市環境と複合な生態保護、工業と特殊な環境保護、陸海相互作用する環境保護、地域的クロスメディア化合物汚染と環境健康、生態環境ビッグデータとシステム管理、世界の気候変動と未来の生態環境保護など6つ重要な研究方向は、両校の次の5年間計画における協力するために、多くのみちと方向性を開きます。
世界的な新型の冠状ウイルスの影響にもかかわらず、日中センターの事務と双方の研究、教育活動が通常通り行われています。2020年には第15回日中環境技術共同研究と教育シンポジウムがオンライン会議で開催され、両校の教職員と学生に加えて、日中の環境関連企業積極的100人以上が参加しました。会議では京大のオンサイトの推進状況と両校の環境学科のダブルディグリープログラムの進みを報告し、また、両校の研究者が先端な学術成果を紹介しました。ウィルスの期間では、両校のダブルディグリープログラムも一糸乱れず進んでおり、第一回の学生は無事に卒業しました。両校の教育協力に役立つ経験を提供しています。
日中センターの成長は、両国の環境保護関連者と企業の協力及び清華大学、京都大学の教職員、学生の真摯な協働と密接することと思います。日中センターは、日中の環境技術に関する共同研究・教育そして日中企業の交流のプラットフォームになります。新しい五年間計画を始めたさえ、国家の展開によって、中國では粤港澳大湾区の構築、深圳市政府と清華大学が全面的な戦略協力枠組み協定を調印した背景に、日中センター及び京大‐清華大環境技術共同研究と教育プロジェクトが両国の国際協力、教育や研究の協働活動、民間交流を促進し、広く協力ネットワークを結成するため窓口又基盤として引きつき努力します。そして環境分野でも新しい協力体制に発展し、両国の新たな恩恵を生み出すことでしょう。

 
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